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福島県 井戸川 双葉町長の辞任の言葉

残念だが健康を害されたのか、辞任されるとのこと。資料として双葉町のHPの井戸川町長の言葉を保存しておく。
(都合の悪いことはすぐに消されてしまうだろうからなあ。)
http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20121220.html/より引用。
町長から町民の皆さまへ(その1)-中間貯蔵施設についてのご報告-

 中間貯蔵施設についてご報告申し上げます。
 この施設の名前はご存じだと思いますが、大変危険なものです。
 したがって、国には以前から数々の質問をしてきましたが、納得いく回答はありませんでした。今なおありません。何を質問したかは、町ホームページに掲載しましたのでご参照ください。(中間貯蔵施設の現地調査に係る質問事項について)

 双葉町は「東京電力株式会社福島第一原子力発電所周辺地域の安全確保に関する協定書」(下記参照)を福島県知事(甲)、双葉町長、大熊町長(乙)、東京電力株式会社取締役社長(丙)との間で結んでいます。第12条には「発電所の保守運営に起因して地域住民に損害を与えた場合は、丙は誠意をもって補償するものとする。」、第16条には「この協定の実施に関し必要な事項及びこの協定に定めのない事項については甲、乙及び丙が協議して別に定めることができるものとする。」となっています。
 皆さん、ここまで来ると変だと気づきませんか。今私たちに交渉しているのは協定の対象とされていない方であり、その彼らが我々に不都合なことを要求しています。

 前置きが長くなりましたが、私は、避難のさせ方、避難生活全般、除染、中間貯蔵施設など全ての協議に東京電力と立地町が入るべきだと言い続けてきました。賠償協議に私たちは入っていません。国・県の災害対策協議に町が入らないのはおかしいと事あるごとに話しています。町民の皆さんの意見が言えるのは役場、マスコミしかありません。改善を要求しています。
 区域の見直し、財物の賠償についてはもう少しで国から報告があります。

 11月28日の会議を欠席した理由について申し上げます。この会議は各町村が環境省から説明を受けてから再開することになっていました。そこで町としては、環境省には話し合いの席上、いつも質問をしていますが、これまで答えずにいますので答えを先に聞くために、11月16日に町から質問書を送付しています。この回答書を見て、納得してから町、町議会、そして、町民の皆さんに現地調査の説明をするよう国には伝えていたのですが、11月21日、突然、町長、副町長不在の時、環境副大臣が来て回答書と説明書を置いて行っただけです。
 最終処分場にされてしまうのではないかと心配しているのに、このような扱いです。そこで、町としては、まだ説明されていないため、28日の会議には出席できないと県に話しをしています。順序良くやらない会議に出て、町民の皆さんの意見を聞いていない私は良いとか悪いとか話せませんし、まだそこまでは皆さんの権利を預かっていません。
 調査だから工事はしないと言いながら、用地買収班が福島にできるそうですが何のためでしょうか。工事をしないのであれば用地はいらないはずです。
 公共の予算科目は普通、大項目に中間貯蔵施設の工事の記載があって、小項目に調査費が出てきます。目的のない単独の調査費はありえません。調査を認めれば必ず仕事、すなわち中間貯蔵施設の着工したことになります。

 六ヶ所村の放射性廃棄物貯蔵施設と人形峠の残土置き場は、人家から2キロメートル以上離れています。双葉町に置き換えると町主要部(下記参照)がほとんど入ってしまいます。いますぐ、帰れないとしてもいつかはと思う希望を奪ってしまいます。
 この場合は新たな迷惑施設としての交渉が先だと思いませんか。後で、言うことが出来なくされても良いのですか。子供たちの意見を聞かずに決めて良いのですか。私はじっくりと考え、帰れるまでの住居や職場、学校、健康施設などを備えた町を造ってもらい、被ばくを受けた皆さんの賠償、生活費の補償など期限を設けずに補償してもらい、以前の生活に早く戻したいと考えます。

 まだまだありますが、まだ、見えない不具合についてもあります。
 原発を誘致して今何を思いますか、もう二度とこのような苦しみは、したくないと皆さん思っているのではないですか。私は皆さんと同じ気持ちです。
 町がこれ以上、壊れるのを見たくありません。財政再建は何とか目途をつけました。

 皆さん、冷静に考えてください。会議に出て多数決で無理やり決められたら良かったと思いますか。中間貯蔵施設は福島の復興のためと言われていますが、双葉町民の救済を急げとは聞いたことがありません。私たちはこの現状から抜け出したいのです。脱出したいのです。そして、先人が何百年もかかって築き上げてきた郷土、文化を捨てるわけにはいかないのです。


 平成24年12月11日

双葉町長 井戸川 克隆

----町民の皆様へ(その2)は下記へ転載している

http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20121228.html/町民の皆様へ(その3)

 今回は、皆さまの損について申し上げます。
 9月下旬に、羽鳥地区の区長さんと役員の方が厳しい表情で私を訪ねて来ました。福島県が遅れて発表した、高濃度の放射線量が昨年の3月12日午後に計測されていた新聞記事を見て激怒したことを伝えに来たのです。
 内容を聞きますと、3月12日の午後、福島第一原発の1号機の水素爆発が起きる前に子供や妊婦の方が避難準備中で自宅にいたそうです。さらに多くの町民もいたようです。知らないで無用な被ばくをさせられてしまったことに、区長さんとしてもそのようなことは知る由もありませんでしたし、福島県は、もっと早く情報を知らせるべきではないかとのことでした。羽鳥地区の方の将来を大変心配され、区長さんは意を決して福島県知事に抗議をして善処を求めました。地区の方を守ろうとする区長さんの姿勢に町民の皆さんと共に支援してまいりたいと考えます。
 [参考:公表までの経緯(PDF形式:115KB)]

 これも、私たちに課せられた大きな損害です。将来放射能で発症したらということの意味が重要です。それを証明してくれる人が、放射能には関係ないと言えば証明されません。自分では確信しても法律では自分が証明しないといけない仕組みになっているのです。立証責任という言葉です。今までの公害裁判では、大きな損害を受けさせられても立証できなければ却下されています。

 町民の皆さん、今が大切です。皆さんの家系は大丈夫ですか。ウクライナでは若者の20パーセントしか健康でないとのことでこれは大変なことです。私は今の日本の避難基準が非常に高く設定していることに異議を唱え続けてきました。
 大きな損は健康を害することです。私たちはチェルノブイリ事故から多くの事実を学ばなければなりませんし、情報の取り方は新聞だけではなく、被ばくに関する本などもたくさんあります。放射能が安全だという本は少なく、いくら低いレベルでも危険だという本が多くなっています。流言飛語や無責任な言葉に惑わされないでください。被ばくを続けないようお願いします。自分で決めるしかありませんが、ますます放射能が危険だと言う人が追いやられています。正に、未だ見えない大損に向かって進むことを避ける考えをしなければならないと思います。

 町民の皆さん、上羽鳥地区の人たちや被ばくを受けた人たちだけが苦しんでいいのですか。このような時だからこそ力を合わせて、被ばくさせられたことの賠償を求めることに、皆さんで立ち上がり協力してください。
 羽鳥区長さんは地区住民にアンケートを依頼し、中間貯蔵施設、区域の見直し、賠償、帰還の方法についても尋ねています。今後の活躍に期待したいと思います。

 国は双葉町に住むことを諦めさせようとしています。中間貯蔵施設ができれば無理です。私たちは先祖が町を守り育ててきたから今があります。幾多の困難にも町を諦めなかったから、自分の町で私たちが育まれてきたのです。子どもたち、孫たちに故郷のない悲しい思いをさせてよいのですか。

 双葉町の除染したものは他所では受け入れませんので、町に置くしかないのです。双葉町は大変濃い放射能で汚染されてしまったので、貯蔵するためには大きな面積が必要となり、町の分だけで一杯になると思います。受け入れたら歴史的に敗北です。お金に変えられない大損害を受けさせられます。慎重に考えましょう。

 今の事故の損害とは全く違う新たな損害ですので、交換条件にはなりません。新たな迷惑施設の話ですので、冷静に判断しましょう。

 原発で一番お金が入ったのは双葉町でなく福島県です。双葉地方に何かできましたか、県内の各地を見たときどれだけ双葉地方が遅れているかお分かりでしょう。
 双葉町が双葉郡では復興が遅れていると言いますが、第一原発の中でどのようになっているかお話します。作業員がいないと言う記事が東京新聞に出ています、国の収束宣言以降、待遇が悪く働く人がいないそうです。
 原発の安全は、作業する方たちの力量に有ります。しかし、これが本当だとすれば、安全は担保されません。このようなことを考えずに区域の見直しが本当にできますか、区域の見直しと賠償を絡めることには無理があるのです。区域の見直しと切り離せば直ぐにでも財物賠償は進む話ですが、何があるのかはわかりません。このように、損の話は無限にあります。
 町民の皆さんよく考えてください。この事故の処理費用を安く上げようとする勢力がいない事を信じたいと思います。
 
 平成24年12月28日

双葉町長 井戸川 克隆
-------------
http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20130101.html/新年のあいさつ-計画から行動へ-

 平成25年の新春を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 東日本大震災並びに原発事故から早や2回目のお正月を迎えました。
 避難生活も長く続く中、今年は、町民の皆さまに先の見える形で双葉町の復興・再生の町づくりの方針を早い機会にお示しし、行動を起こすとともに、町民の、町民による、町民のためのまちづくりを進めてまいりたいと意を強くしているところであります。
 そして、何よりも心配されるのは、避難生活が長引く中での町民の皆さまの心と体の健康であり、万全を期さなければならないと考えております。
 国が示す避難指示区域の再編では、双葉町の約75%が帰還困難区域となりますが、私は放射線量の数値で双葉町を分断することは許されないと考えていますし、原発事故がまだ収束していない今、双葉町全域を速やかに帰還困難区域に設定するよう国に強く求めております。
 避難指示区域の再編に応じないと損害賠償が遅れ、生活の再建ができないと考えている方もいると思いますが、損害賠償は勿論のこと、私たちが真に要求しなければならないことは、放射能による被ばくや長期にわたる避難生活で失われた健康と震災前の生活を回復することであります。避難指示区域の再編には、被ばくによる健康被害などは考慮されていないと言っても過言ではありません。放射能による健康被害は、いつ発症するか予想し難いのが現状です。特に子どもたちが受ける生涯の放射線量は大きく、良識ある大人が子どもたちを守っていかなければなりません。
 損害賠償は、5年先までの賠償が決まっていますが、その後も帰還できない場合の賠償は未定であります。国は、膨大な予算で、しかも技術的に確立されていない除染を進め、早めに住民を帰還させ、損害賠償を打ち切りたいと考えていると思いますが、私たちは避難生活が続く以上、損害賠償を請求する権利を有するとともに、権利を行使しなければなりません。
 中間貯蔵施設についてでありますが、国から納得のいく説明が無いまま、中間貯蔵施設の調査を強く迫られております。しかし、主権者である町民の皆さまのご理解と同意なくしては進めることができませんし、私はまだ皆さまから同意をいただいておりません。また、双葉町議会から中間貯蔵施設建設の調査の受け入れの要望がありましたが、私は、以前から申し上げておりました通り、町民の皆さまの意見を聞き、十分議論を交わし、受け入れるかどうか判断してまいります。
 双葉町の面積は51平方キロと双葉郡内では一番狭く、原発事故により一番線量の高い放射能で広範囲に汚染されてしまいました。この除染をするだけでも膨大な敷地が必要ですし、他の町村の汚染物質を受け入れる余裕などないはずです。また、国が示した中間貯蔵施設建設予定地から2キロのエリア内に、役場、幼稚園や小、中学校などの公共施設は勿論のこと、新山、長塚、三字地区など、町の主な地域が入ることから、帰還に向けた対応は困難を極めることは必至であります。
 今、双葉町の復興・再生に向けて、復興まちづくり委員会で色々な角度から議論をされていますが、町民の皆さまの意見や提言を無駄にすることなく、十分反映させ、年度末までは計画を町民の皆さまに公表するとともに、計画実現のため、行動を起こしてまいります。
 双葉町の復興・再生の基本は、次代を担う子どもたちが夢と希望をもてる町づくりであります。町民の皆さまも一人ひとりが立ち上がらなければなりません。頑張りましょう。

 平成25年1月1日

双葉町長 井戸川 克隆
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http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20130107.html/双葉町の道しるべ

双葉町の道しるべを申し上げます。

1.双葉町・町民は国、福島県、東京電力と協力し、双葉町民の一日も早いふるさとへの帰還を目指します。
(1) 双葉町・町民のふるさとへの帰還にあたっては、人の健康の観点から国、福島県、東京電力と協力し、徹底した放射能の除去に取り組みます。
(2) 双葉町・町民がふるさとに帰還するにあたっての放射能除去の目標値は、国際放射能防護委員会(ICRP「2007年勧告」)の示す一般住民の年間積算被ばく線量の上限1ミリシーベルトとします。
2.双葉町・町民は国、福島県、東京電力と協力し、双葉町・町民の一日も早いふるさとへの帰還を目指し、以下の取り組みをします。
(1) 双葉町・町民のふるさとと双葉町への帰還の目標を暫定的に30年後とし(汚染物質である放射性セシウムの半減期が約30年であることから、双葉町への帰還居住は暫定的に30年後とする)その期間中、2011年3月11日以前の生活保障に取り組みます。
(2) ここで言う生活保障とは以下のことを指します。
イ.家族の営みや生活を成り立たせる仕事及び住居
ロ.健康な生活、就学、医療の手当てなどが保障される生活環境
ハ.ふるさとを奪われた過酷な状況の中での生活文化の継承
3.双葉町・町民は国、福島県、東京電力と協力し、2011年12月16日に事故の収束が宣言された東京電力福島第一原子力発電所事故について、人の健康の観点から徹底した事実解明に努めます。
(1) 双葉町・町民、国、福島県、東京電力は福島原発事故の全ての情報を共有します。
(2) 東京電力及び国は、福島原発事故の収束を宣言したことに基づき、双葉町・町民が原子炉からの新たな放射性物質漏出に脅かされないことを確約する。
(3) 東京電力及び国は、2011年3月11日より後に漏出した放射性物質が福島原発事故の収束宣言した東電福島第一原発敷地内に存在する場合には、帰還する双葉町・町民の健康の観点から速やかに撤去する。

以上について取り組みます。

 
 平成25年1月4日

双葉町長 井戸川 克隆
----
http://www.town.futaba.fukushima.jp/message/20130123.html/
双葉町は永遠に

 私たちは前例の無い避難という過酷な状況に置かれています。いつまでも海原を漂流するわけにはいきません。早く上陸地を国が準備して、再興できる日を求めてきました。しかし、時間が足りませんでした。
 放射能のないところで平和な、皆が集える町ができることを祈り町民の安寧を願って、私は本日、双葉町長の辞職申し出をしました。
 私の今までの取り組みから次のことを申し上げたいと存じます。

1 事故に負けない
 原発事故で負けるということは、今のまま、何もしないことである。
 双葉町民には負けてほしくない。勝ってそれぞれ生き抜いてもらいたい。今はそれぞれの地に離れて住もうとも、廃炉が完了して故郷から放射能の危険が去り、自然と共生出来るようになったら再結集しよう。
 我が子どもたちへ、この悔しさを忘れることなく、何としても生き抜いて何倍も幸せな双葉町を再建していただきたい。そのためにも負けないで学び、求められる人になれ。世界の雄になってもらいたい。
(1) 負けないということは以下のことを忘れないこと
①避難してくださいと国から頼まれたこと。
②東電と国は事故を絶対起こさないと言っていたこと。
③町と県と東電には安全協定があること。
④事故は我々が起こしたものではないこと。
⑤正式な謝罪と見舞いがないこと。(形のあるものではないこと)
⑥自分の権利は自分以外に行使できないこと。
⑦被ばくさせられたこと。
⑧放射能の片付けをさせられること。
⑨20msv/yで町へ帰ること。(一般公衆の限度は1msv/y以下)
(2) 勝つためには何をしなければならないか
①事故の原因者を確定すること。
②我々の受けた損害のメニュー作成すること。
③損害の積算をすること。
④回復の請求をすること。
⑤回復の限界と代替を請求すること。(仮の町、借りの町)
⑥立証責任の不存在を共有すること。
⑦気づくこと。
水俣の住民の苦難を学ぶこと
広島・長崎の住民の方に聞くこと
⑩避難先の皆さんの恩を忘れないこと。
⑪多くの町民が健全な遺伝子を保つこと。
ウクライナの現実を確認して同じテツを踏まないこと
(3) 町民の力を結集すること
①役割分担をすること。
 ・汚染調査 ・除染問題 ・賠償問題
 ・住居問題 ・職場問題 ・健康問題
 ・墓地問題 ・学校問題 ・中間貯蔵施設問題
 などの調査研究する組織をつくり町民の不利益を解消すること。
②事故調査委員会をつくること
 事故の報告書には避難を強制された住民の実態が語られていない。外部に任せていたらいい加減に処理されてしまうので、委員会を町独自に構成して正しい記録を残さなければならない。

2 主張する権利を行使する
①見守り隊の組織
②法律家の組織
③文書学事の組織
④ボランティア活動組織
⑤被ばく被害者団体の組織
などを組織して国民の主権と被害者の復権を勝ち取らなければならない。

3 この世には先人の教えがある
(1) 温故知新
 歴史から新しい発想が出てくる。自分が直面している問題について語られています。遠くは私たちの祖先である標葉藩が相馬に滅ぼされたこと、会津藩が長州に負けたこと。しかし、負けても滅びる事もなく私たちは生きてきました。先人達に感謝し、これからは私たちが町の存続を引き継ぎ後世に繋がなければなりません。今度の事故は前例がありません。今は子どもたちを放射能の影響によるDNAの損傷を避けて暮らし、幾多の困難に負けずに 双葉町の再興に向かって、生き延びましょう。
(2) 人生に五計あり
 中国、宋時代の朱新仲が教訓として伝えた人生の処世訓とされるものです。生計、身計、家計、老計、終計があり、生き抜く考えが記されています。
(3) 八正道と言う道
 昔、釈迦がインドで行われていた求道について、新しい道があることを説いたとされています。
正見  : 正しい物の見方
正思惟 : 正しい思考
正語  : 偽りのない言葉
正業  : 正しい行為
正命  : 正しい職業
正精進 : 正しい努力
正念  : 正しい集中力
正定  : 正しい精神統一

今の私たちにはこのような精神にはなれません。この言葉は東電と国あるいはこの事故を被害者の人権を無視して矮小化しようとしている勢力に猛省を促す言葉として捉えてほしい。願わくば、双葉町の子どもたちに人生の教訓の一部として、心に刻んでほしい。

 この事故で学んだことは多い。我国でも人命軽視をするのだと言うことがわかった。国は避難指示と言う宣戦布告を私たちに出した。武器も、手段も、権限もない我々はどうして戦えるだろうか。

 白河市にアウシュヴィッツ博物館がある。ナチスがユダヤ人を毒ガスで虐殺したことは衆目の事実だ。福島県内では放射能という毒で県民のDNAを痛めつけている。後先が逆だ。この状態から一刻も早く避難をさせること以外に、健康の保証は無い。その後に十分時間をかけて除染をやれば良い。
 人工放射能に安全の基準を言う実績が少ない。20msv/yで住めると言う人が家族と一緒に住んで示すことが先だろう。その安全が確認出来たら福島県民は戻ればいい。これ以上モルモットにするのは、外国の暴君が国民にミサイルを撃つのと変わり無い。
 福島の復興なくして日本の再生はないとは、人口減少の今、将来の担い手を痛めつけていては、真に福島の復興には繋がらないと心配している県民は少なくないと思う。双葉町は原発を誘致して町に住めなくされた。原発関連の交付金で造った物はすべて町に置いてきました。

 原発の誘致は町だけで出来ない、県が大きく関わってはじめて可能となる。私たちは全国の人たちから、「お前たちが原発を誘致しておいて被害者面するな」という批判を受けている。私たちはどこにいても本当の居場所がない今、苦悩に負けそうになりながら必死に生きている。子どもたち、高齢者、家計を支えなければならないお父さん、お母さんたちの悲鳴を最初に菅総理に訴えた。変わらなかった。そのために私は野田総理に国民としての待遇を訴えたのです。しかし、今の町民の皆さんは限界を超えています。何とか国には町民の窮状を訴え、町民には叱られ役をやり、マスコミに出されるようにしてきました。

 県にも窮状を訴えています。最近も質問をしました。回答は具体的な内容ではなく失望しました。知事は福島の復興のために双葉町に中間貯蔵施設を造れと言うので、双葉町の復興はどうするのですか、と聞くと答えてくれません。そこで、踏み込んで私に町をくださいと言いましたがやはり答えませんでした。これでは話し合いになりません。

 環境省の局長にどうして双葉に二つの場所を決めたのですかと聞いたら、分かりませんと言いました。では会議録をみせてくださいと聞いたら、後日ありませんと言う返事でした。このようなことで、調査だけで建設はしないからと言われて、ハイいいですよとは言えません。
 町には古くから先人が築いてきた歴史や資産があります。歴史を理解していない人に中間貯蔵施設を造れとは言われたくありません。町民の皆さんが十分議論した後に方向を決めていただきたい。若い人に決めてもらうようにしてほしい。

 今まで支えていただきました町民の皆様、双葉地方各町村をはじめ福島県内各市町村の皆様、国及び福島県そして事故発生時から避難救済にご支援いただきました国民の皆様、国会議員の皆様、全国の自治体の皆様、埼玉県と埼玉県議会の皆様、県民の皆様、加須市と加須市議会の皆様、市民の皆様、さくら市の皆様、医療界の皆様、福祉関係の皆様、貴重な情報の提供された方、最後に国内並びに世界中からボランティアのご支援をいただきました皆様、この避難を契機にご支援いただきました多くの皆様に支えられて、ここまで来ることができました。心から感謝を申し上げまして、退任のご挨拶に代えさせていただきます。
 長い間誠にありがとうございました。
 
 平成25年1月23日

双葉町長 井戸川 克隆

ーー
双葉町の井戸川町長、「辞任の真意」を語る(OURPLANWET TV)
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