「小選挙区制」論のカラクリを暴く-迷信が“常識”に化けるまで 石川真澄
*「選挙制度(岩波ブックレットNo172)-石川真澄
以下月刊金曜日(1993.10.22)号P32~49石川真澄(当時朝日新聞編集委員)インタビューより引用。
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・5割の票をドブに捨て去りニセ多数派をつくり出すだけの小選挙区制。
・要するに連立政権否定論
・どのように政権を作るかということに委員たちの関心が向いていた
・小選挙区だと政権交替が起こりやすいということは実証されていない
・連立政権は不安定で、単独過半数政権は安定政権だということは、19世紀以来の長い間の迷信だった(略)つまり調べてみると、40カ月以上続いた、要するに寿命の長い政府の7割以上が連立政権だった
・もともと「政権をこういうかたちで作ります」とはじめから言っている国がかなりあるんです。あるいは「自分のところはとても独自で多数は取れないから連立に加わるつもりもない、閣外協力でどことどこに協力する」とかいうことを選挙のときに有権者に公約
・「何十年もの間、英国は悪い政治の下に置かれてきた。選挙制度のせいである。この制度によって有権者の過半数に至らない得票で選ばれた政府がほとんど絶対的な権力を握る。(略)この制度は公正ではないし、効率的でもない」こう書いているのは学説でも何でもなくて
、今年四月二一日の日刊紙『インディペンデント』の社説の書き出しなのです。これは何もスッ頓狂なことを言っているのではありません。(略)論証の必要がない。つまり常識になっているのです。こっちのほうがイギリスの常識。
・そこへもってきて政治記者なんていうと、何かいっぱしの専門家の気になって、実はいま言った第八次選挙制度審議会委員なんかになった新聞社の社長とか論説委員長とかはたいていは政治記者出身ですよ。だから彼らは選挙制度についてはおれはいっぱしわかっているというつもりになっているわけ。ところが、まあ悪いけど・・・。-政治記者だから・・。社長とか論説委員長とかになる人はそんなことを深く勉強したことないよ。勉強していたら、なれないんじゃないかな。
・-それから税金による政党助成金の問題、これどうですか。(略)この制度だと政党の勢力が固定しちゃうんです。


















引用記事の著作権は『週刊金曜日』および原著作者にあります。
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