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国民投票法案の紙面2007.4.12~16

http://www.asahi.com/politics/update/0416/TKY200704160301.html国民投票法案の参院審議 野党は最低投票率などに焦点
2007年04月16日20時57分朝日
 参院は16日の本会議で、憲法改正の手続きを定める国民投票法案の審議に入り、野党側は(1)最低投票率制の有無(2)公務員の政治的行為の制限(3)テレビ広告規制――を中心に与党案を批判した。この日は憲法調査特別委でも審議入りする予定だったが、与党案提出者の保岡興治衆院議員の本会議答弁に野党側が反発。委員会開会は見送った。
 最低投票率制は与党案には盛り込まれていないが、共産党の市田忠義氏と社民党の近藤正道氏が「有権者の1、2割の賛成で改憲案が通る」などと指摘。民主党は、衆院で否決された同党の修正案に盛り込んでいないが、簗瀬進氏が「国民を巻き込んで議論するにふさわしい」と提起した。
 このほか野党からは、公務員の政治的行為の制限について「どんな行為が許されないのか不明確で、萎縮(いしゅく)させる恐れがある」(近藤氏)、テレビ広告が投票2週間前までできることには「潤沢な資金力を持つ勢力が広告を買い占め、改憲の大キャンペーンが展開される」(市田氏)といった懸念が示された。
 一方、本会議で保岡氏が「参院では衆院での議論を踏まえ、足らざるところが集中的に審議されるものと思慮する」と答弁したことに、野党側が「参院軽視だ」と反発。保岡氏は参院議会運営委員会の理事会で謝罪したが、憲法調査特別委の審議や日程協議は17日以降に先送りされた。
 また、この日は衆院憲法調査特別委の中山太郎委員長が、民主党が反対の中で採決に踏み切った経緯を安倍首相に説明した。民主党の反対で改憲は遠のいたとの見方が出ているが、会談後、首相は記者団に「政界はどんどん変わる」と語り、将来の憲法改正案の発議にあたっての民主党との協調に期待を示した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070416-00000093-mai-pol
<国民投票法案>「3年たてば政界も変わるだろう」安倍首相
4月16日20時45分配信 毎日新聞
 安倍晋三首相は16日、自民党の中山太郎・衆院憲法調査特別委員長と首相官邸で会談し「(国民投票法案を)いろいろ議論してきたから3年たてば政界もまた模様が変わるだろう。いろいろな変化があるだろう」と述べ、同法案が施行されるまでの3年間に改憲に向けた環境が整うことへの期待感を示した。

http://news.tbs.co.jp/top_news/top_news3541307.html
2007.4.16 16:52TBS
国民投票法案、参院でいきなり空転
 参議院本会議では、国民投票法案の趣旨説明と質疑が行われました。しかし、法案提出者である自民党の保岡議員のこの発言をめぐって、野党側が反発します。
 「参議院におかれましては、ゼロから議論を始めるのではなく、衆議院での審議をふまえて、まさに良識の府として足らざるところを集中的に審議され、それにふさわしい時間がかけられるものと思量するところであります」(自民党憲法調査会長 保岡興治 衆院議員)
 「保岡議員の、参議院の存在を事実上否定する答弁に厳しく抗議すると共に、その撤回を求めるものであります」(共産党 市田忠義 書記局長)
 「参議院の審議を無視し、国民の立場を完全に無視したような審議をスタートするわけにはまいりません」(民主党 簗瀬 進 参院議員)
 野党側は「参議院を無視する暴言」として、発言の撤回と謝罪を求め、この後予定されていた委員会は開くことができず、16日は実質的な審議に入ることができませんでした。
 結局、保岡氏が野党側に陳謝したうえで発言を訂正し、野党側は17日からの日程協議には応じる方針ですが、参議院での審議は波乱含みのスタートとなりました。
 こうしたなか、この週末行ったJNNの世論調査で、野党の反対を押しきって衆議院での採決に踏み切った与党について尋ねたところ、「支持しない」と答えた人が51%に達しました。「今の国会で成立させるべき」と答えた人も30%にとどまっています。
 一方、内閣支持率は、先月より8.5ポイント上昇して55.1%となりました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070416-00000165-mailo-l36九条の会徳島:憲法改正問題考えよう 来月12日~7月28日、連続講座開催 /徳島4月16日16時1分配信 毎日新聞
 ◇地域の識者と憲法改正問題考えよう
 憲法改正手続きを定める国民投票法案審議が山場を迎える中、市民団体「九条の会徳島」は、研究者らが講師を務める連続講座「わたしと憲法9条」を、5月12日から7月28日までの6回、県総合福祉センター(徳島市中昭和町1)で開く。
 事務局長を務める中嶋信・徳島大総合科学部副学部長のほか、呼びかけ人の乾晴美・元参院議員がこのほど、県庁で記者会見した。05年に発足した同会が連続講座を企画するのは初めてで、中嶋副学部長は「憲法9条について、身近な地域の識者が話をするということが大切だ」と講座の狙いを話した。
 講座はいずれも午後1時半からで、講師が約1時間話した後、約30分間、受講者との質疑に応じる。参加費は無料。資料費(1回500円、6回なら2000円)が必要。申し込み・問い合わせは、中嶋副学部長(088・626・2354)。
 講座開講日と講師、テーマは次の通り。
 ▽5月12日、「『正戦論』」の陥穽(かんせい)~アメリカ的軍事介入主義の批判的考察」(麻生多聞・鳴門教育大准教授)▽同26日、「15年戦争 国民は何をしたか」(郷土史家の湯浅良幸氏)
▽6月9日、「軍国少女として生きて」(乾晴美氏)▽同23日、「学校教育と憲法9条」(吉成務弁護士)▽7月14日、「憲法9条は日本の切り札」(田辺健二・鳴門教育大名誉教授)▽同28日、「財界人と憲法9条」(十枝修・徳島大名誉教授)【植松晃一】

http://rd.nikkei.co.jp/net/news/seiji/headline/u=http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070414AT3S1400G14042007.html(2007.4.16日経13:00)
国民投票法案の与党案を批判、民主・鳩山幹事長 民主党の鳩山由紀夫幹事長は14日午前のTBS番組で、憲法改正手続きを定める国民投票法案について「脳死など1人ひとりの倫理観が違う問題で国民の意見を参考にする必要がある」と述べた。投票テーマを憲法改正に限定した与党案を改めて批判したものだ。憲法改正に関しては「(自衛隊は)他国から見れば戦力だ。持っていないと憲法に書いてあるのは明らかに矛盾だ」と語り、戦力の不保持を定めた9条2項の改正の必要性を指摘した。

http://www.373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=3915国民投票法案衆院通過 九条の会、抗議決議/鹿児島市共同センター 廃案訴えデモ行進(04/15 07:27南日本新聞)
国民投票法案廃案を目指す憲法改悪反対鹿児島県共同センターのデモ行進=14日、鹿児島市の天文館
 憲法改正手続きを定める国民投票法案を与党が衆院本会議で強行可決したことに対する抗議行動が14日、鹿児島市であった。かごしま九条の会は黎明館で総会を開き「国民の疑問に答えていない」と抗議決議。憲法改悪反対鹿児島県共同センターは繁華街をデモ行進し「参院で廃案に追い込もう」と訴えた。かごしま九条の会第3回総会には約100人が出席。荒川譲代表幹事はあいさつで「憲法にかかわる法案を強行採決という異常な手段で通過させたのは言語道断。国民の意思を正確に反映する法案になっておらず、廃案にすべきだと声を大にして訴えたい」と話した。
 抗議決議は、最低投票率が定められていないことや投票期日が発議から最短60日後と短いことなど問題点を指摘し、「参院で徹底した慎重な審議を求める」としている。衆参両院、各政党などに送る方針。総会前にあったシンポジウムでは、小栗実鹿児島大学法科大学院教授が「憲法九条を変える動きと国民投票法案はセットになっている」と安倍政権下の憲法をとりまく情勢を解説した。県内4地域の九条の会代表らはそれぞれ活動実績を報告。若者の参加をどう増やすかが課題に挙がった。
 県労連などが参加する憲法改悪反対県共同センターは、同市みなと大通り公園で集会を開催。総会を終えたかごしま九条の会メンバーも合流し、約100人が集まった。園山一則同センター代表は「強行採決したのは、法案の中身が国民に知れ渡ることを恐れているからだ。世論を高めて廃案に追い込もう」と呼び掛けた。「頑張ろう」を三唱した後、天文館方面へ電車通りをデモ行進。買い物客らに「日本を戦争できる国にするな」「平和憲法を守ろう」と訴えた。

http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20070414az(2007/04/14 10:56 更新 秋田魁新報)
社説:投票法案衆院通過 拙速かつ強引に過ぎる 拙速かつ強引。そう指摘せざるを得ない。「国民投票法案」のことである。自民、公明両党は野党の強い反対を押し切り、衆院通過を強行、今国会での成立が確実となったのだ。
 国民投票法は憲法改正の手続きを定める法律。手続き法とはいえ、重要性はどんなに強調しても過ぎることはない。国の根幹をなす憲法の改正に道を開く法律だからである。
 その分、慎重にも慎重を期した議論が欠かせない。憲法の改正に賛成にしろ反対にしろ、国民の意思を正確に反映する手続き法が必要であり、広範な合意が得られた投票法でなければならないからだ。
 衆参両院に憲法調査会が設置されて7年余り。与野党、中でも自民、公明、民主の3党は協調して論議を重ねてきた。投票法案の内容もかなり歩み寄っていた。しかし、今回の自公の強硬姿勢により、広範な合意形成は葬り去られたといえよう。
 何より投票の当事者である国民の理解が深まったとは言い難い。投票法案がどんなものなのかという最低限のことでさえ、心もとないのではないか。
 今後、論戦の場となる参院は「良識の府」だ。投票法制定の是非や中身の審議はもちろん、国民の関心を高め、理解を促す工夫も怠れない。
 自民、公明両党が法案成立を急ぐ理由にも首をかしげざるを得ない。「日程ありき」の側面が極めて強いのである。
 憲法改正を掲げる安倍晋三首相は、憲法記念日である5月3日までの成立に意欲を示した。確かに一つの節目ではある。しかし、憲法改正につながる法案の重さと比べれば、いささか矮小(わいしょう)な動機だ。
 夏の参院選対策も絡む。安倍首相は憲法改正を争点にする考えで、投票法成立をその「地ならし」にしようという思惑が透けて見えるのである。
 民主党も似たり寄ったりだ。水面下でぎりぎりまで続けられた自民と民主の法案修正協議。民主は結局、福島、沖縄の参院補選を控え、野党共闘を崩したくないといった選挙対策を優先させたきらいがある。憲法改正が絡む投票法案をどうするかより、目先の政局を重視したとすれば、政党・政治不信は一層強まるばかりだ。
 法案自体にも問題点が少なくない。憲法改正を承認する「過半数」の母数が、有権者総数や投票総数ではなく、最もハードルの低い「有効投票総数」とされたのである。
 もっと問題なのは国民投票を有効とする「最低投票率」の規定がないことだ。仮に投票率を40%とすれば、有権者の20%余りの賛成で憲法改正が成立することになる。
 投票日14日前からテレビやラジオの有料広告を禁止したことも、「表現の自由」との関係から容認できない。
 与野党協議で修正された点があるとはいえ、改憲を目指す自民側に有利な形で決められたとも受け取れるのである。
 憲法改正には賛否両論が渦巻いている。それだけに手続きを定める投票法には、何らの不公平さもあってはならない。参院では今度こそ徹底論議を尽くさなければならない。

http://www.kochinews.co.jp/0704/070414headline02.htm
2007年04月14日 高知新聞
護憲団体危機感強める 国民投票法案衆院通過
 憲法改正の手続きを定めた国民投票法案が13日、与党の賛成多数で衆院を通過したことに対して、戦争放棄をうたった9条の改正反対を訴える市民団体などは「憲法改正の動きが加速するのではないか」と危機感を強めた。
 いずれも、法制定への国民的理解がないことや最低投票率が設けられていないこと、公務員、教員の運動禁止が盛り込まれている点などに問題があると指摘している。
 労働組合などでつくる「フォーラム平和・人権・環境」(東京)の福山真劫事務局長は「法案には改憲のハードルを下げる意図が見える」と指摘する。
 同フォーラムには、国家公務員や地方公務員の労組も参加しており「公務員や教育者の運動制限は、憲法論議の場を制約しており反対。表現の自由を保障し、投票者への情報提供や議論を最大限保障すべきだ」と話す。
 市民団体「許すな!憲法改悪・市民連絡会」(東京)の高田健事務局次長は「与党法案は詰めるべき項目が多く、議論が尽くされていない」と指摘。「六十年余りの日本国憲法の歴史でたった数カ月の議論。主権者である国民が法案の中身をよく知らず、現行憲法が軽んじられる傾向が助長され、改憲の動きが加速するのではないか」と危ぶむ。
 危険な方向止めねば 県内でも失望、憤りの声
 改憲派に圧倒的に有利な国民投票法案が衆議院で可決された13日、県内でも失望と憤りの声が聞かれた。「このままでいくと、(少数派の声が無視される中で)戦争する国になる。危険な方向をどう食い止めるかが、9条の会の大きな仕事になる」「こうち九条の会」の栗原透筆頭代表は、重苦しい表情で口を開いた。同会はこの日、高知市丸ノ内2丁目の高知城ホールに約10人が集まり、取り組みを論議。「採決前の公聴会はただのお飾り。強行採決の免罪符にされた」「民意が全く反映されていない」などの意見が相次いだ。
 一方、高知憲法会議などでつくる「改憲手続き法反対闘争本部」は街宣カー3台で同市内を巡回。住宅団地などで法案の問題点を訴えた。
 「がっかりしたけど、あきらめない。わたしはいつも少数派だから」。淡々と話すのは、衆院憲法調査特別委の中央公聴会で公述した長岡郡本山町職員、松繁美和さん(48)。都内の抗議集会に参加した後、この日帰郷した。「帰りの飛行機で全国紙を開くと、抗議集会の様子が全く載ってない。メディアにも失望した。国民投票法案は改憲派に有利。でも今の憲法で困っていることって何ですか? 何もないでしょう?」。松繁さんは疑問を繰り返した。

http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20070414/05.shtml
2007.4.14長崎新聞
県内で意見交錯 国民投票法案衆院通過
 憲法改正の手続きを定めた国民投票法案が十三日、衆院を通過した。今国会での成立が確実視されるが、県内では、憲法改正そのものへの反対や、「議論が不十分」とする慎重論の一方で、「時代に合った憲法を」と肯定的に受け止める声など、さまざまな意見が交錯した。
 十三日夕、JR長崎駅前の高架広場に平和団体や労働団体の約七十人が集結した。「政府・与党の都合で有利に憲法を変えようとする意図が隠されている。参院での廃案を求める」との集会決議を採択し、拳を突き上げた。県高教組も法案の「強行採決」に抗議談話を発表した。
 こうした動きに対し、法案の衆院可決を歓迎する声もある。
 大村市平町の無職、藤川充さん(70)は「時代に合った憲法に見直す時期に差しかかっている」と述べ、長崎市中町の無職、的山隆行さん(66)も「武力行使には反対だが、北朝鮮の核保有など周辺情勢を考えると、自立した新憲法を制定すべきだ」と話した。
 憲法改正に反対ではないが、手続きの不備を指摘する意見も。
 島原市万町の鮮魚店主、磯野定道さん(58)は「投票権者を十八歳以上にするなら、成人年齢も二十歳から十八歳にすべきだ。そうなると多くの法律を変える必要があると聞いた。数の力で押し切って成立を急ぐ理由が分からない。もっと議論を深めてほしかった」と疑問を投げ掛けた。佐世保市松瀬町の会社員、松永美由紀さん(39)も「十八歳以上が投票できるのであれば、若者の考えも反映されるので良いと思う。ただ投票率に関係なく過半数の意見が採用されると、強い考えを持つ一部の人たちの意見だけで憲法が変えられそうで心配」と話した。
 佐世保市相浦町、行政書士、山口八郎さん(61)は改正の焦点となりそうな憲法九条について「自衛隊の国際貢献は今の憲法で可能。九条には手をつけるべきではない」と話した。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200704141300_01.html2007年4月14日(土) 朝刊 31面 沖縄タイムス
国民投票法案 衆院通過/浅い議論 深い憂慮
 衆院本会議は十三日午後、憲法改正手続きを定める国民投票法案の与党修正案を自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送付した。
 「憲法を変えたら、この国はどうなるのか」。国民投票法案が衆院を通過した十三日、県内の識者や戦争体験者らからは、改憲への一歩を踏み出すものと不安や懸念の声が相次いだ。一方、「議論に先立つ法整備は必要だ」との声も。護憲団体や平和団体は相次ぎ、抗議声明を発表した。憲法施行六十年。
国民の議論が深まらないまま加速する改憲の流れ。最低投票率の規定がないなど多くの問題を抱え、審議は参院に移る。
 元ひめゆり学徒、宮良ルリさん(80)は「国民投票法案は改憲への第一歩であり、非常に悔しい。憲法を変えたら、どういう国になっていくのか国民は分かっているのか」と憤る。
 沖縄戦で多くの仲間を失った。「今の憲法ができた時、戦争体験者たちは、これでもう戦争はなくなると喜んだ。六十年ほどで改憲してしまうのは、のど元過ぎれば熱さを忘れるのか」といら立ちを隠さない。深まらない議論に「国民の多くが忙しさにかまけて憲法に関心が薄いように見える」。
 県憲法普及協議会の加藤裕事務局長(42)は「最低投票率や日数もじっくり議論しておらず、公務員や教員の運動制限も問題。国民全員が自由に平等に議論して意見を反映できる仕組みになっていない」と批判した。
 一方、那覇青年会議所の添石幸伸理事長(37)は「国民投票法自体は必要なこと。感情やイデオロギーを超え、憲法をより良いものにしていく議論は大事で、先立つ法的整備は必要だ」と話す。「ただ今回どれだけその中身が周知され、議論が熟成されたか。国民が問題意識をもって理解しているかを考えると怖い部分もある」との考えを示した。
狩俣さん9条改正反対 島尻さん戦争直結せず参院補選 候補者賛否
 衆院を通過した国民投票法案について、参院沖縄選挙区補欠選挙に立候補している狩俣吉正さん(57)は反対、島尻安伊子さん(42)は賛成と、賛否が分かれた。
 補選の当選者は同法案の審議に加わることになる。
 狩俣さんは「改憲イコール前文と九条の改正。これに賛成できない。当選したら、明確に反対していく」と主張。最低投票率に関する規定がないことなどを疑問視した上で、「手続法の中身に問題が多すぎる。最高法規である憲法を改正する手続法としてはお粗末だ」と述べた。
 島尻さんは「国民投票法案も、憲法改正にしても、戦争ができるようになる法整備ではないと信じている」と強調。「憲法はさまざまな解釈がなされており、整備は必要。ただ、これまでのプロセスで民主党の政争の具にされ、結果的に強行採決になったのは残念だ」と語った。
県内各団体から抗議声明相次ぐ 憲法改正手続きを定める国民投票法案の衆院通過を受け、県内の護憲団体や平和団体は十三日、相次いで抗議声明を出した。県憲法普及協議会(高良鉄美会長)と沖縄人権協会(福地曠昭理事長)は、連名による声明で、「そもそも憲法は、国民が自らの人権を守るために、国に対してそのあり方を命じる
最高法規なのだから、その時々の一時的な世論によって左右されるべきものではない」と指摘。同法案を「与党が改憲しやすいように、形式的にだけ手続きを整備しようとしたものにほかならない」と断じた。第9条の会・沖縄うまんちゅの会(安里武泰ほか共同世話人)は「国民投票法が制定されると、与党の計画通りに憲法改悪が強行され、日本はかつてのような戦争の暗黒に引きずり込まれてしまう」と厳しく批判。「基地の島沖縄が侵略戦争の出撃基地として、ますます強化されていく」と危機感を示した。県労連や自由法曹団など十七団体でつくる県憲法改悪反対共同センターは「県民は六十二年前の戦争で多大な犠牲を受け、戦後も引き続き広大な米軍基地が居座り続け苦しめられている。こうした危険な動きにもっと敏感に声を上げなければならない」と訴えた。
 沖縄平和運動センター(崎山嗣幸議長)は、今回の採決を「平和憲法の改悪をもくろむ第一歩。到底許されない」とし、参院での慎重な審議を求めた。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/shasetsu/ren017200704149376.html社説2007年04月14日(土)付 愛媛新聞
国民投票法案 参院では禍根を残さない審議を
 国民投票法案の与党修正案がきのうの衆院本会議で可決され、参院に送られた。
 憲法改正に必要な国民の承認を得るための投票制度を定める法律だ。それほど重要な法案でありながら与党は衆院憲法調査特別委員会と本会議採決を数の力で押し切った。「拙速」「強行」のそしりは免れない。
 審議を尽くしたとはとても言えない法案を参院ですんなり成立させていいはずはない。将来に禍根を残さぬよう、掘り下げた審議が必要だ。
 自民、公明の与党と民主党は昨年五月にそれぞれ法案を提出し、共同で修正作業を続けてきた。合意目前までいったが、改憲を悲願とする安倍晋三首相の意向で様相は一変した。憲法施行六十周年となる五月三日までの成立を掲げたからだ。これに民主党が反発し、参院選への思惑もからんで修正案一本化はならなかった。
 憲法改正は国のあり方を変える重大な問題だ。その手続き法を決めるからには与野党の幅広い合意は欠かせない。ここにきて与党と民主党の協調関係があっさり崩れたのは残念だ。
 民主党の対応にも問題はあった。最終決定権限を持つ小沢一郎代表は参院福島、沖縄両選挙区補選の野党共闘を最優先する姿勢を崩さなかった。続く本番の参院選で法案の成立が安倍首相の「得点」になることを警戒した面も否めない。
 参院に送付された与党修正案は▽国民投票の対象を憲法改正に限定▽投票権者は十八歳以上(当面は二十歳以上)▽両院に憲法審査会を設置するが、公布から三年間は憲法改正案を提出、審査しない―などが柱だ。数多くの問題点を残したままといわざるを得ない。
 法案をめぐって全国の憲法学者らが批判する緊急声明を出したのもうなずける。投票を有効とする「最低投票率」の規定がないのはどうしたことか。このまま成立すれば、例えば投票率が四割を下回る場合、有権者の二割を超しただけで改憲が認められることになる。与党もこれで民意を反映した結果と胸を張るわけにはいくまい。
 「公務員、教育者の地位利用による投票運動の禁止」にしても法案に罰則規定はないが、懲戒処分の懸念はぬぐえない。教育現場に警戒感が広がるのも無理はない。またテレビ、ラジオなどの有料広告に関し「投票期日前十四日間は禁止」としている以外に具体的な制限はない。資金のある側が改憲を訴えるCMを盛んに流すこともあり得る。果たして公正が保たれるのか、疑問は大いに募る。
 共同通信社が三月に行った全国電話世論調査では、法案に「賛成」が56・2%だったが、うち67・5%は「今国会にこだわる必要はない」と回答した。慎重審議を望んでいる証しにほかならない。国民の理解を深めることがなにより重要だ。
 法案の審議は週明けから参院に移る。七月の参院選で半数が改選になるが、ここで浮足立ってはならない。じっくり腰を据えて審議を尽くすべきだ。

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000301038.shtml
国民投票法案「議論尽くしていない」 衆院通過県内反応2007/04/14神戸新聞
 衆院本会議は十三日午後、憲法改正手続きを定める国民投票法案の与党修正案を自民、公明両党などの賛成多数で可決、参院に送付した。民主党修正案は否決された。同法案を最重要法案の一つと位置付ける与党は衆院通過を受け、早期成立に全力を挙げる方針。週明け十六日の参院本会議で趣旨説明と質疑を行ったうえ、同日中に憲法調査特別委員会で審議入りする。今国会での成立は確実な情勢だ。
 議論は尽くされたのか-。兵庫県内の団体や識者らから、批判や疑問の声が相次いだ。法案を評価する意見もあるが、いずれも審議が不十分との認識では一致。夏の参院選をにらんだ与野党の動きに冷ややかな視線を向けた。
 関西学院大(西宮市)の教員らでつくる「関学9条の会」代表世話人、長岡徹教授(憲法学)は「『当面二十歳以上』とする投票権者の年齢や『公務員・教員の地位利用』の中身など先送りが多く、参院選にらみで急いで通した感が否めない」と批判。「『憲法とは何か』という根本的な位置付けさえできていない。今こそ、議論していかなければ」と提言する。
 「与野党協調を期待していたのに、一気に『政局化』してしまった」。法案の「市民案」を作成したジャーナリスト今井一さん(大阪)は残念がる。「その結果、公務員が国民投票運動に参加できる『適用除外』が撤回された。ほかは評価できるが、この点は参議院で修正してほしい」と求めた。
 県内の労働組合など六十三団体で組織する「平和憲法を守る兵庫県連絡会」事務局の森哲二さん(36)は「公聴会では賛成派からも『十分な議論を』との意見があったのに、なぜ急ぐのか。引き続き廃案を呼びかけていく」。神戸大経営学部四年の森田篤さん(21)は「憲法改正に限定された点が納得いかない」と話した。

http://www.the-miyanichi.co.jp/column/index.php?typekbn=1&sel_group_id=7&top_press_no=200704142302国民投票法案 改憲論議はもっと時間かけよ2007年4月14日宮崎日日新聞
 あれよあれよという間にもうここまで来たか…という印象である。
 憲法改正手続きを定める国民投票法案の与党修正案が、民主党など野党が反対する中、自民、公明両党の賛成多数で衆院を通過、参院に送られた。今国会中の成立は確実とみられる。
 国民投票法案は手続き法とはいえ、憲法改正と密接に絡む重要法案だ。
 与党と民主党との法案修正協議が決裂、対立点を残したまま採決されたことは極めて残念な事態である。また任期中の改憲を目指し、同法案の今国会成立を「改憲への一里塚」とする安倍晋三首相の「前のめり」姿勢が見受けられたことも気になる。
■法案の内容は生煮え■
 同法案の目的は、国会が発議する憲法改正案への賛否を、主権者の国民に直接問い掛ける仕組みづくりだ。
 もともと与野党が民意をくみ取りつつ、粘り強く審議を重ねて「公正、公平、中立」な制度の実現に向け、合意を得るのが筋だったはずである。
 一政権の政治的思惑に左右されてはならないことは言うまでもなく、この原則を無視した安倍政権と、それを許した民主党など野党の責任は厳しく問われなければならない。
 法案内容も生煮えの点が多くあり、十分審議を尽くしたとはとても思えない。問題点の検討を先送りするような「付則」が何個所もあることがそれを裏付けている。
 与党修正案は国民投票の対象を「憲法改正」に限定しているが、民主党が主張する「一般的国民投票」制度については態度を鮮明にしていない。
 対象に加えるかどうか、付則で「間接民主制との整合性の観点などから検討を加え、必要な措置を講ずる」とすることにとどめているからだ。
■改憲、護憲派から批判■
 民主党修正案で「適用除外」とされた「公務員の政治的行為の制限」に関しても、原則として制限するが「賛否の勧誘や意見表明は制限されないよう検討」との付則がつけられたことなどが、その例である。投票権者年齢やテレビCMの規制期間をめぐっては、与党と民主党とで最終的な歩み寄りができず、平行線のまま終わっている。
 それだけではない。国会の外からも公務員、教育者の地位利用による国民投票運動の禁止規定に罰則がないことへの批判がある。
 また有効投票数の2分の1とされた「過半数」の定義の見直しや、最低投票率制度の必要性を強調する意見など改憲、護憲派の双方から問題点が指摘された。今回の採決は時期尚早の「見切り発車」との批判は免れまい。
 昨年来、与党は衆院憲法調査特別委員会を舞台に、民主党との修正協議を続けてきた。
 憲法改正案の発議には、衆参両院で「3分の2」以上の賛成が必要なことを考えると、民主党の協力が得られない限りは不可能であり、国民投票法が成立しても「砂上の楼閣」になってしまうからだ。
 しかし、憲法改正を夏の参院選の争点にしたい安倍首相と、与党との対決姿勢を鮮明にしたい小沢民主党との思惑から、国民投票法案は「政局マター(事柄)」になってしまった。
 法案審議はこれから参院に舞台を移す。衆院に対して「抑制、均衡、補完」を旨とする参院が、良識と独自性を発揮することを強く望みたい。

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007041490080055.html国民投票法案衆院通過 「力」の突破高まる不信感2007年4月14日 08時37分東京新聞
 憲法改正に必要となる国民投票のルールを定めた国民投票法案が13日、衆院を通過した。「政争の具と化した」「国民的理解が不十分」。与党が押し切る形で衆院での審議が幕を閉じたことに、市民案作りにかかわった人たちからも不満の声が上がった。公務員の投票運動や最低投票率の在り方など多くの問題をめぐって議論が“不完全燃焼”のまま、参院に審議が移ろうとしている。 
 国民投票法の市民案をつくり、3年前から国会に働き掛けてきたジャーナリストの今井一さんは「衆院憲法調査特別委員会はこの1年間、与野党対立にとらわれたり、政局に巻き込まれないよう、気を付けながら審議を重ねてきた。本来なら共産党まで含めて全会一致でやってほしかったのに『政争の具』と化して与党単独採決になったのは残念だ」とする。
 さらに、公務員の投票運動について「自民、公明、民主の3党は昨年末、公務員が原則自由に国民投票キャンペーンに参加できるよう『政治的行為の制限』を適用除外することで合意していたのに、政局化の影響で撤回された」と指摘。
 その上で「悪いのは安倍首相と小沢一郎・民主党代表、福島瑞穂・社民党党首の3人。安倍さんは『任期中に憲法を改正したいので早く国民投票法案を制定してほしい』などと言い過ぎた。小沢さんは、福島さんに『参院選で選挙協力するから法案に反対を』と言われ、与野党合意を拒否した」と批判した。国民投票の市民案作りにかかわってきた東京都国立市の上原公子市長は「公聴会をちょろちょろっと開いたり、公務員の投票運動を規制したり、世界に恥ずかしい法律を作った」と与党を指弾。
 「国民投票は、国民が唯一持っている直接請求権。大事な手続き法だからこそきちんとしたルールになっているのか、十分な時間をかけて国民に問うべきだった。議論を封殺して、強引に押し切った与党の対応は許し難いと思う」と語った。
 労働組合などでつくる「フォーラム平和・人権・環境」(東京都)の福山真劫事務局長も「5月3日の憲法記念日までに法案を成立させたいという安倍首相の思惑だけで採決が強行された印象が強い」と憤慨する。
 「法案には、公務員の投票運動の制約が厳しいなど自由な憲法論議を妨げる問題点が多い。世論調査でも慎重審議を求める声が多く国民的理解が得られているとは思えないのに、衆院を通過させたのは大問題」と福山さんは言う。
 ◆小林節・慶応大教授(憲法)の話 自民党と民主党が対立したことにより、改正の発議に必要な衆参各院の国会議員の3分の2の賛成が得にくくなり、かえって改憲は難しくなったのではないか。憲法全体を包括的に問うなど問題の多かった3年前の与党案に比べ、今回の法案は、自民、民主両党が信頼し合って論議を深め、修正されてきた、公正で良い案だ。それだけに、参院選の思惑がからんだ土壇場での対立は相互に根強い不信感を生んだ。
 安倍首相が本気で改憲を目指すならこのような形での決着は大きな矛盾となる。
 ◆百地章・日本大教授(憲法学)の話 与野党ともに思惑はあったと思うが、自民、公明は民主に相当譲歩してきた。安倍首相は以前から改憲を主張していたのであって、民主の方こそ護憲と改憲が呉越同舟でもろさが出てしまい、参院選のために小沢代表が「断固反対」を唱えた。
 憲法制定と同時に制定されてもおかしくない法律なのに、六十年たってもない方が異常だった。やっと法律ができるときに「まだ時間が足りない」というのは明らかに引き延ばし戦術だ。

http://www.asahi.com/politics/update/0414/TKY200704130400.html
改憲の道「なぜ急ぐ」 国民投票法案2007年04月14日01時51分朝日新聞
 憲法改正手続きを定める国民投票法案が、衆院を通過した。改憲を参院選の争点にしようと図る安倍内閣にとって、法案はその地ならしの意味を持つ。専門家は審議の拙速を批判し、原爆や空襲を経験した被害者らは「あきらめてはいけない」と声を上げた。
◇被爆者ら抗議
 「国民投票法案 安倍さんどうしてそんなに急いで採決するの?」。長崎市の平和公園。9日正午過ぎ、約50人がこんな横断幕を広げて座り込んだ。82年から、原爆の日の8月を除いて毎月9日に行われている「反核9の日座り込み」。この日で311回目だった。
 列の中に、長崎市の元小学教諭で被爆者の元山寿恵子さん(76)がいた。10年ほど前から、ほぼ毎月参加している。00年に設立した市民団体「活憲21ながさき」の代表。
 原点には被爆体験がある。爆心地から約2・4キロの自宅で被爆。一緒にいた姉は無事だったが、母親は耳に大けが。姉の夫は勤務先で爆死し、同級生も失った。
 60年前、憲法ができた時の喜びを今も覚えている。「これで戦争はなくなるんだ」。自由にものが言える喜びも感じた。
 座り込みが何になるのか、という人もいる。しかし、たとえ国民投票になっても9条を守るために、頑張れるだけ頑張るつもりだ。
 広島市でも13日正午すぎ、被爆者や労働組合関係者らでつくる広島県原水禁のメンバー75人が、原爆ドーム前に集結。抗議の座り込みをした。
 23年前からドームの水彩画を描き続けている原広司さん(75)も、座り込みに加わった。この日朝から1905枚目のドームの絵を描き上げた。「ドームはいつもより暗く、寂しい表情だった」
 原爆投下時は現・江田島市の親類宅にいて無事だったが、翌日に広島市内に入って被爆した。同学年のいとこや学校の友人の多くを亡くした。自身も戦後、大腸がんなどに苦しんできた。高校生から小学生まで5人の孫がいる。「終戦からたった六十数年。なのに、戦争ができる国に着々と変わろうとしているように見える。孫たちに同じ思いをさせたくない」
 作家の早乙女勝元さん(75)は国民投票法案を通した与党の最大の狙いは、9条の改変だと考えている。
 12歳で東京大空襲に遭った。一晩で約10万人が死んだ。作品や講演で体験を語り継ぎ、02年に民間募金で設立された「東京大空襲・戦災資料センター」の館長に就いた。
 憲法改正は再び戦争への道につながる、としか早乙女さんには思えない。「私たちは過去の戦争犠牲者と、今の子どもたちの声なき声に耳を傾け続けなければいけない」と語った。
◇推進派からも異議
 国民投票法の制定を主張してきた市民グループ「国民投票/住民投票情報室」(村西俊雄代表)は、衆院憲法調査特別委員会で与党修正案が可決された12日夜、異議を唱える見解を発表した。
 「合理性に富むルール設定が全会一致でなされることを期待したが、選挙などを意識した政党幹部の言動により、与党のみの採決となったことは極めて残念だ」と批判。内容についても「公務員が主権者として原則自由に国民投票キャンペーンに参加できることを保障するべきだ。参院で修正され、衆院に差し戻されて再可決されることを立法府に求める」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070413ig90.htm
(2007年4月14日1時35分 読売新聞)
国民投票法案 党利党略が過ぎる小沢民主党 現行憲法制定以来の立法府の不作為が、解消される。
 憲法改正の手続きを定めた、与党提出の国民投票法案が、自民、公明両党などの賛成多数で衆院を通過した。今国会中に成立する見通しだ。憲法をめぐる戦後史で画期的なことである。
 本来は、超党派で成立させるべき法案である。衆院での採決の直前になって、民主党が独自の法案を提出し、与党と民主党が対立する形になったのは、極めて残念なことだ。
 それにしても、民主党の姿勢には、首をかしげざるをえない。
 国民投票法案については、昨年暮れ、与党と民主党が、9項目の修正項目で合意した。衆院憲法調査特別委員会の与党と民主党の理事間では、共同提案を目指して協議が進んでいた。
 与党案は、投票権年齢を「原則18歳以上」とするなど、民主党が主張する内容を大幅に取り入れて修正したものだ。両案に、ほとんど違いはない。
 それが、民主党独自の法案提出となったのは、参院選に向けて、自民党との対決姿勢を示す狙いなのだろう。
 安倍首相は、参院選で「憲法改正」を訴えるとし、国民投票法案の早期成立を主張してきた。民主党の小沢代表ら執行部が共同修正の動きを抑えたのには、国民投票法案でも与党に対する対決姿勢を鮮明にした方が、参院選の選挙戦略上、得策という判断がうかがえる。
 与党案と民主党案の最大の違いは、国民投票の対象について、与党案が憲法改正だけとしているのに対し、民主党案は「その他の国民投票の対象にふさわしい問題」も対象にするとしている点だ。
 だが、憲法前文には「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動」する、とある。一般的な政策に関する国民投票は、日本の統治原理である議会制民主主義に反する。
 大衆迎合政治の横行を招くことにもなる。例えば、国民に負担を求める消費税率引き上げのような問題だ。一円でも税金は安い方がよい、という一般の心理におもねって、反対政党が国民投票の実施に持ち込むようなことがあれば、大きな政治的混乱に陥るだろう。
 民主党は「間接民主制との整合性の確保」の観点から、必要な法制上の措置を講じる旨を付則に定める、としている。だが、小手先の対応で、本質的な問題性が解消されるものではない。
 民主党内には、憲法改正に賛成し、国民投票法案の成立を望む議員も少なくないのではないか。これ以上、政争の具にしてはなるまい。

http://www.okinawatimes.co.jp/day/200704131300_01.html2007.4.13朝刊 1・31面 沖縄タイムス
改憲へ流れ加速/国民投票法案可決
 衆院憲法調査特別委員会は十二日夕、憲法改正手続きを定める国民投票法案の与党修正案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。
 「改憲への第一歩だ」「九条を守って」。国民投票法案が衆院憲法調査特別委員会で可決された十二日、県内で不安の声が広がった。一方で、改憲に賛意を示す県民も。護憲団体は「このまま、政府主導でなし崩しに改憲へと進められていくのか」と懸念を示した。
 法案が可決された同日夕、那覇市寄宮の与儀公園で「九条の碑」の前を歩いていた同市の無職男性(84)は「沖縄戦では私を除く一家六人全員を失った。戦争は人殺し。九条を守って」と訴えた。
 買い物客でにぎわう、同市おもろまちのサンエー那覇メインプレイス。うるま市の無職、照屋寛徳さん(58)は「自分には憲法問題はなじみがない。憲法が変わっても、どう生活が変わるのかイメージできない」と関心が高まらない様子。
 読谷村役場玄関前に立つ「九条の碑」の前には、今月六日に広島県府中市から来県し、ネズミ男をイメージした姿で行脚する福崎裕夫さん(51)の姿が。「国民投票法案が可決されれば、国民一人一人の意思表示が大切になる。九条の持つ意味を真剣に考えて」と訴えた。
 石垣市浜崎町の新栄公園の「九条の碑」前を散歩していた同市新川の主婦(50)は「時代に合わない部分は変えたほうがよい」と改憲に理解を示しながらも、「投票率が低ければ賛成が少数でも改正される。それは危険。もっと一般市民が興味を持つように説明を」と注文をつけた。
 「沖縄・女性九条の会」の共同代表を務める真境名光弁護士は「国会は改憲へつながるはしごを登り始めた」と危機感を抱く。「政府は『憲法改正は良いこと』という雰囲気をつくり出し、なし崩しに改憲を進め、国民もそれに乗せられている」と話し、「九条が変えられ、命の危険にさらされるのは自分や家族だということを一人でも多くに知らせるしかない」と決意を新たにしていた。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/20282.html?_nva=26国民投票法案可決*改憲への「危うい一歩」だ(4月13日北海道新聞社説)
 改憲手続きを定める与党提出の国民投票法案が衆院憲法調査特別委員会で野党の反対を押し切って可決され、きょう衆院を通過する見通しとなった。
 戦後体制の見直しを掲げる安倍晋三首相は、教育基本法改正や防衛庁の省昇格など憲法の足元を揺るがすタカ派的な課題を、数の力で通してきた。
 国民投票法案の可決は、こうした流れの中、現憲法の平和主義に対する改憲勢力の攻勢が新たな段階に踏み出したことを意味する。
 強権的と言える手法を貫いているのは、主権者である国民に対する政治のおごりではないか。幅広い政治的合意が必要な課題に対しても、強引に押し通せば、既成事実となり、やがては批判も絶える、と考えているならとんでもないことだ。
 法案はなお多くの欠陥を含んでいる。審議を引き継ぐ参院が良識の府なら、いったん廃案にすべきだろう。
*「中立的法案」ではない
 国民投票法案を推進する勢力は「改憲をするかしないかに関係なく手続き法は必要なもの。中立的法案だ」と説明してきた。だが実際は、単なる手続きの印象を与えながら、改憲を容易にする内容でまとめられた。
 改憲手続きは、国民の改憲機運が高まり、国会が発議に至る具体的な状況が生まれて初めて必要になる。 国民の意思を確認するための制度の設計はそれまでに、時間をかけて慎重に行われるべきものだ。 法案審議の過程では、多くの基本的な問題点が指摘された。それらは解消されずに残っている。
 中央、地方での公聴会でも、なお審議が必要との意見が多かった。
 憲法学者を中心とする法律専門家らも、法案の根本的不備を批判する緊急声明を発表している。
 与党はこれらの指摘に目をつぶり、採決を急いだ。結局は、改憲を争点とする参院選への影響を意識し、今国会での成立へ強引にこまを進めた。
*出発点にはき違えがある
 憲法を改正する権限は国民にある。その判断に際し、偏った情報の提供があってならないのは当然だ。 ところが可決された法案は、原案の段階から発議する国会の言い分を後押しするものだった。
 憲法の基本は、国会を含む公権力を、主権者である国民が制御する国民主権にある。
 国会は改憲について提案する立場であり、決して中立的な機関ではない。
 なのに憲法改正案広報協議会を国会内に置き、その委員は国会の議員比率に応じて割り当てる形だ。いわば改憲の提案者が広報も担う形となり、情報提供の公正さ確保に疑問が残る。
 賛否を主張する政党による無料意見広告の量や回数についても、当初は議員数に応じた配分とするなど、出発点から根本的なはき違えがあった。
 投票成立のための最低投票率を定めず、少数の賛成で容易に承認となる基本的な欠陥も、すでに指摘した。投票までの周知期間も最長で百八十日とするのは短すぎるとの声がある。
 公務員の国民投票運動の制限や、資金のある側の主張が有利になる有料放送CMついても、問題点への根本的な対応が放置されている。
 また、内容が関連する事項(条文)についてまとめて投票する規定では、各事項について判断が異なる場合、意思が投票に的確に反映されない問題がある。まぎれをなくすには、個別に投票する方式を採用すべきだろう。
 全体に国民に情報を公平に提供し、いかに正確にその意思を確認するかという基本に照らし、不十分な内容だ。
 法案は国会法の改正案も含み、改憲案の議案提出権を持つ常設の憲法審査会を設置するが、すぐに改憲論議が始まることになろう。
 独自修正案を提出した民主党は、投票権者の年齢や投票対象など、与党案との相違を争点とすることで、法案そのものの持つ欠陥を見えにくくした。
*平和主義が切り崩される
 論点は多岐にわたる。にもかかわらず、数を背景に強行すれば何でも通るという状況は憂うべきことだ。 これが、安倍政権の下で加速されている。
 国会の現状は、確かに改憲推進派が多数を占める。国民も世論調査で賛否を広く問えば、改憲賛成が多数となるが、平和主義の象徴である九条については慎重論がなお多く、政治との乖離(かいり)が見られる。国民投票法案についても、そのずれが示されたと言えよう。
 世論は今国会の優先課題として、この法案を重視していなかった。与党はそれに構わず突破を図った。 ただ国民の側の関心も十分には広がらなかった。政治にまかせ切り、単なる手続き法案との宣伝に、思考を停止してきた側面はなかっただろうか。
 それが与党の独走を許すことになったとすれば国民の責任も問われよう。
 法案は、自民党の新憲法草案が言う、自衛隊を「自衛軍」として明確に位置づける九条改定に結びつく。それは平和主義の足元を切り崩す一里塚の役割を果たすことになろう。アジア各国に不安を抱かせるものともなる。この法案は、こうした懸念がぬぐえない。成立には反対せざるを得ない。

http://www.shinmai.co.jp/news/20070413/KT070412ETI090002000022.htm国民投票法案 なぜそんなに急ぐのか
4月13日(金)9:02信濃毎日社説
 衆院の委員会で与党が国民投票法案を採決した。きょう13日の衆院本会議で可決し、参院へ送る構えでいる。
 なぜいま法律を作る必要があるのか、中身の論議は尽くされたのか-。多くの疑問が積み残されたままである。
 国民投票法は単なる手続き法ではない。憲法改正の方向に影響する。事柄は重大だ。これ以上の無理押しは避けるべきだ。
 与党案については各界から、疑問の声がかねて出されている。例えば全国100人余りの憲法学者が11日に発表した緊急声明を読んでも、抱える問題点が分かる。
 声明は三つの理由を挙げて慎重審議を求めている。(1)最低投票率の規定がない(2)公務員や教育者に対し「地位利用による国民投票運動」を禁じている(3)発議から投票までの期間が「60日から180日」では短すぎる-である。
 例えば投票率が50%の場合、その半数、つまり有権者の4分の1の賛成で憲法は変えられる。最近の各種選挙の投票率を見ても、ごく少ない賛成票で改正される結果を招きかねない。最低投票率の規定が必要、との指摘は重要だ。
 公務員、教育者の運動制限は「表現の自由」にかかわる。幅広い観点からの論議が欠かせない。
 発議から投票までは、改正の是非について論議を戦わせ、考えを深める期間である。例えば150日と決まっている通常国会の会期と比べても「60-180日」で大丈夫か、検討の余地がある。
 各地で開いてきた公聴会では、投票年齢、白票の扱い、テレビCM規制など、多くの問題について疑問や意見が出されている。与野党や国会はこれまで、そうした声に十分こたえていない。聞きっぱなしでは、公聴会の意味も損なわれる。
 法案をめぐる論議は安倍政権になってから、政治の思惑でゆがめられている。在任中の憲法改正を公言する首相が、参院選の争点にする考えも示し、今国会での法案成立を促す。これでは冷静な議論になりにくい。手続き法なのだから粛々と決めるべきだ、と言われても、はいそうですかと聞くことはできない。
 民主党の姿勢にも問題がある。与党案の問題点をえぐり出し、国民の理解を促すよりも、党内の足並みの乱れを表面化させないことにきゅうきゅうとしている。これでは2大政党の名が泣く。
 法案の熟度、取り巻く政治状況。どれをとっても、国民投票法案を成立させるのに適した状況とは言えない。国民の理解も足りない。慎重な対応を与野党に求める。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070412-00000057-kyt-l26
京で反対集会や抗議声明 国民投票法案の衆院委可決受け
4月12日23時49分配信 京都新聞
国民投票法案に反対するデモ行進(12日午後6時35分、京都市下京区)
 国民投票法案が衆院特別委で採決されたことを受け、京都総評は12日夜、京都市中京区の市役所前で反対集会を行い、「戦争する国づくりを許すな」と訴えた。
 集会には約250人が参加し、京都総評の岩橋祐治議長が「投票率の規定がなく、国民全体の1割、2割の賛成で改悪できる法案。怒りを込めて抗議する」と声を張り上げた。その後、参加者は「憲法九条を守ろう」「平和大好き」などとアピールしながら、四条河原町までデモ行進した。
 ■「声無視した暴挙」 自由法曹団京都支部
 京都府内の弁護士でつくる自由法曹団京都支部は12日、「強行採決は国民の声を無視した暴挙で、歴史に禍根を残す」とする抗議声明を発表した。
 声明は、世論調査などで「今国会で成立」に賛成する人が少ないことを挙げて慎重審議を求めるとともに、最低投票率の制度がないことなど、法案の問題点を指摘している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070412-00000056-kyt-l25国民投票法案に反対する会結成 滋賀県の弁護士や労働団体4月12日23時39分配信 京都新聞
 滋賀県内の弁護士や労働団体などが、国会で審議中の国民投票法案に反対し、「改憲手続き法阻止滋賀県連絡会」を結成した。12日に大津市の滋賀弁護士会館で記者会見し、「改憲のハードルを低くする法案で、危機感がある」と廃案に向けて決意を述べた。連絡会には、憲法九条を主とした与党の改憲の動きに疑問を持つ弁護士や市民ら87人と、県労連など10団体が参加した。街頭でのアピールや学習会を開く。法案は、13日の衆議院本会議で通過の見込み。
 同会の代表委員の玉木昌美弁護士は会見で、法案の内容が国民に浸透していない▽最低投票率が定められておらず、国民の大多数を占めなくても改憲できる-などの問題点を指摘し、「改憲は米国の要求だ。(自衛隊の)海外での武力行使を国民が望んでいるのか。もっと議論が必要だ」と話した。

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